せっかく作りこんだサイトも、多くの人に見てもらえなければ意味がありません。そこで重要になるのが、SEO(検索エンジン最適化)です。しかし、SEOの世界は常に変化しており、過去の常識が通用しないことも多々あります。
本記事では、2025年以降を見据え、これから意識すべきSEOの最新トレンドと具体的な対策を、現場のつぶやきを交えながら深掘りしていきます。
近年、Googleをはじめとする検索エンジンはAI技術の進化により、ユーザーの検索意図をより深く理解し、パーソナライズされた検索結果を提供するようになっています。2024年5月には、GoogleがAIモデル「Gemini」を利用した「AI Overview(旧SGE)」を米国で一般公開するなど、検索体験そのものが大きく変化しつつあります。
AI生成コンテンツとの向き合い方
AIが記事を自動生成する技術は目覚ましい発展を遂げており、短時間で大量のコンテンツを制作することが可能になりました。しかし、Googleはコンテンツの制作手段に関わらず、「ユーザーにとって有益かどうか」を重視する姿勢を明確にしています。検索順位操作を目的とした低品質なAI生成コンテンツは、2024年3月のコアアップデートで検索結果から除外されるなど、厳しく取り締まられています。
大切なのは、AIを「記事の草稿作成」や「要約文作成」などのアシスタントとして活用し、最終的には人間が編集者として、ユーザーの課題解決につながる高品質でオリジナリティのあるコンテンツを作り上げることです。
2025年を勝ち抜くためのSEO重要ポイント
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)の強化
Googleは、コンテンツの品質評価において「E-E-A-T」(Experience, Expertise, Authoritativeness, and Trustworthiness)を非常に重視しています。特に2022年12月には、従来の「E-A-T」に「Experience(経験)」が追加され、実体験に基づいた一次情報の価値がより一層高まりました。
コンテンツクリエイターとしては、自身の経験や知見を積極的に盛り込み、専門家としての立場を明確にすることが重要です。
経験 (Experience): 実際にその分野に携わった経験や、製品・サービスを利用した体験談など、一次情報を提供することでコンテンツの信頼性を高めます.
専門性 (Expertise): ターゲットとする分野において深い知識やスキルを持っていることを示します。
権威性 (Authoritativeness): その分野におけるリーダーとして認知されているか、他者からの評価があるかを示します。
信頼性 (Trustworthiness): サイトやコンテンツが正確で偏りがなく、ユーザーにとって安全であることを示します.
対策のヒント:
執筆者プロフィールを詳細に記載し、実績や専門性をアピールする.
実体験に基づいた具体的な事例や考察を盛り込む.
信頼できる情報源を引用し、情報の正確性を担保する.
ユーザーファーストなコンテンツ作成
SEOの基本的な考え方は「Googleの考え方に近づけること」であり、Googleは「ユーザーにとって有益なコンテンツ」を最も重視しています。検索ユーザーが何を求めているのか、どのような疑問を解決したいのかを深く理解し、読者のニーズを過不足なく満たすコンテンツを提供することが不可欠です
キーワード選定: ターゲットとなるユーザーが検索するであろうキーワードを徹底的に洗い出し、検索意図を深く考察します.
メインキーワードだけでなく、ロングテールキーワードも積極的に狙う.
キーワードツールや競合サイトの分析も活用する.
構成案の作成: キーワードと検索意図に基づき、見出し(Hタグ)から構成案を練り上げます.
読者の疑問を解決する順番で情報を配置し、結論を最初に提示する「結論ファースト」を意識する.
読みやすさの追求:
画像や動画の活用: 視覚的に分かりやすい情報を提供し、理解を促進する. (特に動画コンテンツの重要性は2024年~2025年でさらに増しています。)
リストや太字の活用: 情報の羅列ではなく、重要なポイントを際立たせ、視覚的な負担を軽減する.
適切な改行と句読点: 文章のまとまりを意識し、読者がストレスなく読めるように配慮する.
誤字脱字のチェック: プロフェッショナルな印象を与えるためにも、最終チェックは怠らない.
オリジナリティの追求: 競合サイトの情報をまとめるだけでなく、独自の視点や考察、実体験に基づく情報を加えることで、コンテンツに付加価値を付ける.
モバイルファーストインデックスへの完全対応
Googleは2023年10月31日をもって、全てのWebサイトがモバイルページのコンテンツ情報を元にクロール・インデックスされる「モバイルファーストインデックス(MFI)」へ完全に移行しました。これは、PCサイトではなく、スマートフォンサイトを評価の主軸にするというGoogleの方針転換を意味します。
Webクリエイターは、デザイン段階からモバイルユーザーの利便性を最優先に考える必要があります。
レスポンシブデザインの採用
どのようなデバイスでも適切に表示されるレスポンシブデザインは、MFIへの最善策です.
表示速度の最適化
モバイルユーザーはページの読み込み速度に敏感です。画像の圧縮、CSSやJavaScriptの最適化、キャッシュの活用などで表示速度を向上させます.
コンテンツの統一
PC版とモバイル版でコンテンツ量やメタデータ、リンクに差異がないようにする. モバイル版のコンテンツが極端に少ないと、評価が下がる可能性があります.
ユーザビリティの向上: ボタンの大きさ、文字の大きさ、配置などをモバイル端末での操作に適したものにする.
構造化データの活用
構造化データとは、Webページの内容を検索エンジンがより正確に理解できるように、HTMLに記述されたデータのことです。正しくマークアップすることで、検索結果にリッチリザルト(画像や評価、価格などの詳細情報)が表示されやすくなり、クリック率の向上にもつながります.
JSON-LD形式でのマークアップを推奨
schema.orgで定義されているプロパティ(属性)とバリュー(属性値)を用いて記述する.
コンテンツの内容に合った構造化データを選定し、むやみに併用しない.
ツールを使って記述した構造化データを検証する.
内部リンクの最適化
内部リンクは、Webサイト内のページ同士をつなぐリンクのことで、SEOにおいて非常に重要な役割を果たします。
関連性の高いページを繋ぐ: ユーザーが知りたい情報にたどり着きやすくなり、ユーザビリティが向上します.
クローラビリティの向上: Googleのクローラーがサイト内を巡回しやすくなり、重要なページが認識されやすくなります.
サイト全体の評価向上: 内部リンクを適切に配置することで、サイト全体のSEO評価を向上させ、検索順位の上昇が期待できます.
アンカーテキストの最適化: リンクの内容を分かりやすく示すアンカーテキストを設定する.
パンくずリストやグローバルナビの設置: ユーザーの現在地を分かりやすく示し、回遊性を高める.
変化を恐れず、学び続ける姿勢が成功の鍵
クリエイターにとってSEOは、デザインや技術力と同様に、もはや不可欠なスキルとなっています。2025年以降も検索エンジンの進化は続き、新たなトレンドが生まれることでしょう。
常に最新の情報をキャッチアップし、ユーザーファーストの視点を忘れずに、質の高いコンテンツと技術的な最適化を両立させていくことが、Webクリエイターとしての成功に繋がります。変化を恐れず、学び続ける姿勢こそが、これからのWeb業界を生き抜く鍵となるでしょう。